将棋が強くなるためのトレーニングの1つとして、詰め将棋があります。
詰め将棋とは、王様を詰ませるトレーニングで、これを行うことで、実際の対局でも詰みを読み切り、終盤でしっかり勝ち切ることができます。
詰め将棋は、様々な書籍が出ています。しかし、あまりにもその数が多いため、どれを選べば良いか初心者の方は分からなくなってしまいます。
そこで、この記事ではオススメの詰め将棋の書籍を5つ紹介します。
詰め将棋で初めて取り組むのは、1手詰めになるかと思います。1手詰めは、自分が一手指せば、相手の王様を詰みにすることができる局面です。対局で言えば、勝利が目前の局面です。最初は、この状況で相手の王様を確実に仕留めることに慣れましょう。
この書籍は、そんな1手詰めの局面を豊富に揃えた良書です。1手詰めにも、様々なパターンがあります。このパターンをしっかりと頭の中に叩き込むことで、実際の対局でも見逃すことなく、相手の王様を仕留めることができます。
また、これから長手数の詰め将棋に取り組むこともあるかもしれませんが、手数が長くなったとしても、最後は1手詰めの局面が必ず現れます。1手詰めは、すべての詰め将棋の基本となるのです。
1手詰めとはいえ、慣れないとなかなか解けないものです。そういう時は、2 3分考えて、答えを見るようにしましょう。はじめの段階で大事なことは、詰将棋を解くことよりも、詰みの形を覚えていくことです。
1手詰めのいいところは、ちょっとした隙間時間に考えることができることです。外出中に書籍を持って行って、空いた時間に解いてみてはいかがでしょうか。
3手詰ハンドブック
1手詰めがクリアできたら、今度は3手詰めを解くことになると思います。
先ほどの1手詰めとの大きな違いは、自分の指し手だけでなく、相手の応手を考える必要があることです。
自分が一手指して、それに対して相手の最善手を考え、最終的に相手の王様を詰みにするという流れで考える必要があります。
1手詰めから、少し難易度が上がっているため、手応えを感じるかもしれません。
3手詰めも、初めて解く時は難しいと感じるかもしれません。
その時は、1手詰めの時と同様、少し考えて回答を見るようにしましょう。
大事なことは、1手詰めの時と同じく、パターンを覚えることです。このパターンを覚えることで、対局の際に詰みの有無を素早く判断することができます。
将棋の基本に、「三手の読み」というものがあります。非常に有名な格言で、自分の指し手を考え、相手の応手を読み、その次に自分が何を指すか考える。この「三手の読み」をきちんとできるようになるのが、大事なステップです。
詰将棋だけでなく、実戦でも「三手の読み」を実践できると、みなさんの勝利は一気に上がることでしょう。
5手詰ハンドブック
5手詰めになると、さらに手数が増えて、難しいと思う人もいるでしょう。
しかし、3手詰めまでの基本的な詰み手筋を覚えている方であれば、比較的容易に取り組むことができます。
前にも述べたとおり、詰め将棋で大事なことは、詰みのパターンをたくさん覚えることです。
1手詰め、3手詰めを解けるようになっている方であれば、基本的な詰みのパターンはほとんど身に付いているはずです。
5手詰めまでたどり着いている皆さんであれば、紹介した書籍にある問題もスラスラ解けるのではないでしょうか。
もちろん、解けない、難しいと判断すれば答えを見て、どのような手を組み合わせて解いているか確認して、覚えるようにしましょう。
実戦で、5手詰めをしっかりと読み切れるようになれば、段位は近いかもしれません。
ここまで来ると、詰将棋の面白みも出てくることでしょう。
内藤のカンタン詰将棋
「詰将棋は実戦の終盤から発生したものだが、それだけでも十分楽しめる 『小さな楽園』のようなものだと思っている」(まえがきより)
詰将棋界の巨匠・内藤國雄九段による初心者にも易しい詰将棋問題集が誕生! !
内藤九段の「のびのびしみじみ5手詰」「のびのびしみじみ7手詰」(日本将棋連盟)という2つの名編全題に加え、「内藤詰将棋選集」(日本将棋連盟)から29題、さらに新題を21題追加し合計250問の詰将棋を収録しました。
すべて形が自然で、解後感の良い問題なので、気持ちよく解きながら、実戦における読む力、終盤力を養い、個々の駒に対する感覚を磨くことにも大いに役立つ内容です。
「易しい問題を素早く、数多く解く方が楽しいし、将棋上達の効果は高い」と内藤九段はいいます。
本書の問題をすべて解いて、棋力の大幅アップにぜひ役立ててください。
5手詰めも問題なく解けるようになったら、さらに長手数のものにチャレンジしてみましょう。
7手詰め、9手詰め、11手詰め以上のものになってくると、なかなか一筋縄ではいきません。
しかし、この辺の詰め将棋を解けるようになれば、初段以上の実力があると言っても良いでしょう。
ここまで覚えてきた詰みのパターンを使えば、長手数の詰め将棋も解くことができます。
また、このクラスの詰め将棋が解けるようになれば、実戦でも基本的な詰みを逃すことはほとんどなくなるでしょう。
アマチュア同士の実戦では、終盤にある程度自信を持って望めるはずです。
ここまでチャレンジできる人は、詰め将棋の面白さを肌で感じつつあると思います。
何事も楽しんで取り組めるのが重要です。
詰め将棋も楽しんで解けるようになると将棋の面白さが深まるでしょう。
詰め将棋の面白さに取り憑かれてしまい、寝ても覚めても詰め将棋に触れていたいという方は、この「詰将棋パラダイス」にチャレンジしてみるとよいでしょう。
プロやトップアマが解くような難問に触れることができます。手数も長く、100手近くのものもあります。
また、ここまで来ると、詰み手順の美しさを前面に出すような、芸術性を持った詰将棋にも出会えるはずです。
それらを鑑賞するのも詰将棋の楽しみの一つです。
また、詰将棋を創ることに目覚める人もいるかもしれません。
そういった方は、この詰将棋パラダイスに投稿してみると良いでしょう。
憧れの棋士から、良い評価をもらえるかもしれません。
詰将棋を継続するコツは?
ここまで、とっておきの詰将棋書籍を5つ紹介しました。
このほかにも、優れた詰め将棋の本は数多くあります。
書店や将棋連盟に足を運んだ際に、探してみるのも良いでしょう。
しかし、どんなに良い詰将棋の本を購入しても、継続できなければ宝の持ち腐れです。
そこで、この章では詰め将棋を継続する、とっておきの方法をお伝えしましょう。
まず、大事なことは、詰将棋に取り組む目標を持つことです。
将棋大会に参加する、ライバルに勝つ、いろいろな目的があると思いますが、自分が燃える目標であれば何でも構いません。
目標を持つことで、詰め将棋に取り組むモチベーションもアップします。
将棋が強くなりたいという強い気持ちがあるとベストです。
目標持って、詰め将棋を解く意欲が高まったら、どのレベルの詰め将棋に取り組むか決めましょう。
このときのポイントは、初めは簡単すぎるレベルのものを選ぶことです。
気合が入りすぎて、難しい詰将棋を選ぶと、途中で挫折する可能性が高いです。
簡単なものであれば、解けずに挫折することはありません。
詰め将棋を解く楽しさを体感することが、継続するための第一歩です。
そして、もう一つ大事なことは、できるだけ毎日解くことです。毎日5問解くなど、これも目標を持つと良いでしょう。
毎日触れることで、詰みに対する感覚もアップします。
そして、これが終盤で詰みを逃さず勝ち切る力に直結します。
1手詰めを毎日5問でも構いません。
まずは、毎日解くことを習慣にしてみましょう。
詰将棋をマスターして、終盤をしっかり勝ち切ろう
詰将棋について、興味を持っていただけましたでしょうか。
終盤で詰みを逃さずに綺麗に勝ちきれるとカッコイイですよね!そうやって自分が勝つイメージを持つと、将棋がもっと楽しくなるはずです。
そして、ここで紹介した詰将棋の本にある問題もどんどん解けるようになるでしょうか。
この記事を読んで、少しでも詰将棋に興味を持っていただけたら嬉しいです。